そこへおねえちゃんが帰ってきて・・
だけど、しばらくして少し落ち着きを取り戻すと 又、口を開きます。
興奮して話出したら止まらないビビ子さんに、
ドバトさんは
弱っているものの身としては・・
↓
だけど 気配はどこにもありません。
ひとしきり話を聞いたドバトさんが
またまた何気なく言いかけたその時です。
← 悪気はないのですが疲れているとつい棘のある言葉が・・
ポストを開けると
親友から華々しい知らせのハガキが届いていて
そのまま引き返そうとしたら
友達に出会っちゃって・・
それは、今度は誰の耳にもはっきりと聞こえました。
そのとたんビビ子さんは抑えていたものがこらえきれず、
嗚咽をあげてしゃがみ込んでしまいました。
今日久しぶりに稽古場に顔を出したの
そしたら・・すでに舞台の配役は決まっていてね、あたしの出番はどこにもなかった・・
ほんとは・・主役まではいかなくたって、けっこういいところまでいけそうだったのよ
「そんな矢先、おとうちゃんが倒れたの。
幸い発見が早かったから命に別状はなかったけれど
なにより本人(本鳥)が気弱になっちゃってね・・
まともに歩くこともままならない中、退院を強いられてしまったの・・」
そして、静かに羽を広げます。
さらに・・・
複雑な気持ちを抱いたまま玄関の扉を開けると・・・
↑
病院側としては仕方がないことなのかもしれませんが・・
カメオさんは、残念ながらスカウトマンではありませんが、この出会いが皆にとって大きな展開になっていくのです。
「はじめまして。わたくし 亀野カメオと申します」
踊って 舞います。
飛び跳ねます。
なんて心地が良いのでしょう・・
あとは自然に体が動きます。
幸せそうな彼女にろくに挨拶もせずに家に向かったわ
← つい感情的に
「あー あたしは今こんなにも 踊ることが好きなんだわ!!
こうして生きている限り まだまだチャンスはあるじゃない!」
落ち込んでいる時はちょっとしたことでも
敏感になり傷ついてしまうのです →
気の合う仲間もでき、来年の舞台に向けても張り切っていたわ。 でも・・・」
ビビ子さんの声が急に小さくなります。
・・で、おとうちゃんのお世話をしながら、たまたま見つけた
スクールに通いだしたら夢中になっちゃって・・・
飽きっぽいあたしにしたら、初めてのことだったのよ。
ひらめさんとは、まだ面識もないビビ子さんでしたが
先ほどまでつっかえていたものが、不思議とすっと抜ける
感覚を覚えるのでした。
ビビ子さんにいきなりスイッチが入りました。
← 几帳面なガーコさんは、いくら疲れていても
きちんとお掃除をしないと気がすまないのです。
←ガーコさん
「さすがにおねえちゃん(ガーコさん)ひとりに任せておけず
思い切って荷物を引き上げて戻ってきたわ
ドバトさんのその一言で
さらに気持ちがほぐれたビビ子さんは
ポツリポツリと話だします。
ちょうどその時、通りがかったタクシーの窓から それを目にとめた者がおりました。
月も星も出ていない深夜の空の下・・ それも路上の片隅でありましたが
それは本当に本当に美しい姿でありました。
・・・ そんなわけで ビビ子さんは(以前に姉から聞いていた)ちくわさんのお店にフラリとやってきたのでした。