・・・ と、その時 扉が開き そこへ現れたのは ・・・

近くに住む ハト爺です。

ハト爺はそう言うと、持っていた杖を口にくわえ

手(羽)で拍子をとりながら ♪ホイホイホイ♪ と踊りだしたのです。

その様子は あまりにもおもしろ、おかしくて 思わず皆、ププ〜ッと吹出してしまいます。

気がつけば、みんなハト爺のあとについて輪になって踊っているではありませんか!!
                            チビちゃんたちも、すっかり目をさましています♪

ホ〜ホ〜♪ ホッタラ ホ〜♪ ホ〜ホ〜♪ ホッタラ ホ〜♪♪

お店の中は楽しそうな笑い声でいっぱいになりました。

♪ホ〜 ホ〜 ホッタラ ホ〜♪  ホイホイホイの ホイサッサ〜♪♪

一方 こちらはコッカさん ・・・

かたくなに耳をふさいではいるものの
楽しそうな響きはずんずん伝わってきます。

「えっ!?これはどうしたことなの!?
私のことなんて もうどうでもいいのかしら ・・・ ???」

気になって ・・・ 気になって ・・・ 気になって ・・・  ついにガマンできなくなったコッカさんは ・・・

すきまから様子を垣間見ようと
そ〜っと扉を開けました。

コケ郎さんがそれを見逃すはずがありません。

・・・ と、おたけびをあげ、それと同時に

ひらめさんが すっとんできて扉のすきまを手(ヒレ)で押さえました。

そこへ すかさずコケ郎さんはコッカさんの手(羽)をつかんで
ぐいっと引っぱり出したのです。

「待ってました」と合図を示すように

コッカさんはコケ郎さんに ギュ〜ッと抱きしめられました。

   なんて温かい感触なのでしょう。子供たちも駆け寄ってきます。

コッカさんは一瞬にして今までの怒りが吹っ飛んでしまいました。

べ〜ん♪♪  ひらめさんが三味線を もう一節奏でました。

その瞬間 コッカさんは、もうはっきりと確信できたのです。あたりまえのような幸せに。
  そしてコケ郎さんも毎日大変なはずなのに、ジブンばかりが、なんて思っていてごめんなさいって。
       でも、それはコケ郎さんも同じだったのです。

今度はそんな不安がどんどん募ってきます。

それどころかなんだか嬉しくてたまりません。

コッカさんが出てきたことによって お店の中は先ほどの踊りに輪をかけて明るく輝きだしました。

ハト爺がコッカさんの肩に手(羽)をかけて優しくいいました。

そう言われて言葉につまるコッカさん ・・・

子育てに追われるばかりの自分にまだ少し
負い目があるからなのかもしれません。

そんなコッカさんに
ハト爺は ・・・

ハト爺は杖を拾いあげて続けます。

コッカさんはハッとしました。ドタバタの毎日の中、考えもしなかったことです。
    子供たちのほうを振り返り またまた涙があふれます。

「えっ!? 最後の最後までって ・・・!?」  みんな顔を見合わせて静まりかえりそうになったその時 ・・・

ドバトさんの提案でお店の中は
またまたパ〜ッと明るくなりました。

♪ホ〜ホ〜♪ ホッタラ ホ〜♪♪  ♪ホ〜ホ〜 ホッタラ ホ〜♪

    ♪ホッタラ ホッタラ♪ ホイホイ ホイ♪♪

ひらめさんの三味線までもが加わって 
誰もの魂までもが踊り出しているようでした♪

みんなが「ひとつになってる!!」って感じていました。 ・・・ いえ「ひとつになってる」というよりは
もともと こうしてみんな「ひとつのものだった」のかもしれませんね。

夜もふけていきます。チビちゃんたち明日起きられるかな〜
   でも、みんな満面の笑みで三々五々 帰路に着きましたよ♪ ホッタラ ホ〜♪

PS:コケ郎さん一家はもちろんその後も常連さんに!! ハト爺だってやってきます♪
      ひらめさんのお店はこれからも賑わっていきます♪

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