今夜もカウンターの一番奥で ふんぞり返って焼酎をあおっているのは カラスのちくわさんです。

こんな悪態は 常套句!

今に始まったことではありません。

ところで ・・・ なぜ「ちくわ」って名前なのかって!? それは。。。 何を隠そう 彼はちくわが大好物だからなのです。

・・・ と、こんな感じでちくわの持参

ひらめさんは慣れたものです。お店にある食材を取り混ぜて

ちくわさんが満足する一品を手際よくお皿に盛り付けます。

酔いが回るにつれ ちくわさんの悪態は

   加速度を増すばかり ・・・

ひらめさんは 黙って聞いています。

そんな訳ですから ちくわさんには友達や仲間がいるどころか誰も彼に近づこうとしません。

ガラガラガラ !!  そこへやってきたのはドバトさん

おっと 。。。 ちくわさんの姿を見るなり ・・・

ひらめさんは その場を和らげようとして 三味線を取り出しました。

  今までだって何度もちくわさんの前で 

      これを奏でようとしたのですが

彼はプイと立ち上がってお店を出て行くばかりなのでした。

   それでも今夜も懲りないひらめさん

♪ べべん べん♪べん べべん♪べん♪

  べべん べんべん ♪ べんべん♪べん♪

ちくわさんが発した数々の負の波動が、みるみるうちに柔らかく緩和されていくのがわかります。

ドバトさんは、この調べを聴くと、必ずと言っていいほど 

   心の中のモヤモヤが吹っ飛びます。

 先ほどまで極力避けていたちくわさんの存在ですら 

  ありのまま包み込んでしまうから不思議です。

ところが ・・・

いきなり ちくわさんが

大声をあげて 立ち上がりました

・・・・・ と、その時

お店の中は ちょっと険悪です

ドバトさんはゆっくりお酌している気分でもありません。

←前のページに 次のページへ→