一瞬の間 ・・・ 本当に一瞬の間でしたが ひらめさんは

         「頭の中が真っ白になる」 そんな感覚に陥ってしまいました。

 ここに来る前 ・・・  

  はたして自分はどこにいたのだろう ・・・

  いったい何をしていたのだろうか ・・・


   実は断片的な記憶しかないのが 

     正直なところでした。




そういうことすら忘れて 夢中でお店をひらいたのです。

  でも ・・・     いつの時代だったか はっきり思い出せないけれど ・・・

        ・・・ たしかに 南の島で暮らしていた ・・・

    おそらく どん作さんの島から さほど遠くはなかったのかもしれない ・・・

 だけど ・・・ そこが 本当の生まれ故郷でもなかった ・・・


         これらのことは 今、どん作さんを目の前にして 久々に甦った記憶の断片でした。

   眩しいくらいに青い海 ・・・ 輝く太陽 ・・・

 そして、そこには避けようがない辛い出来事もまた ・・・



 だからこそ今はもう それ以上思い出すことを 

 ひらめさんは あえてしたくありませんでした。


   涙が止まらない ・・・

どうしてだか 涙が止まらない

今度は どん作さんが 励まします。

「何も心配はいりませんよ。

    ひらめさんは だいじょうぶ」

 とても 温かくて優しい口調でした。


その言葉は ひらめさんの胸に

   静かに しみわたります。

そして どん作さんが言ったとおり ひらめさんはこれから先

      少しずつ ・・・  少しずつ ・・・   いろんな記憶を 甦らせていくのです。

翌日 どん作さんは 島に帰っていきました。

     ↑
途中から船に乗るのです

いまだに飛行機の離陸が苦手なハムのダンナさん
     ↓

 しばらくした頃 どん作さんから

   手紙が届きました。

島の空気までが そのままじんわりと
 
     伝わってくるようでした。

  ひらめさんも また元の日常です! 

陽気な唄 三味線の奏で そして美味しいお酒とお料理!!

       常連さんたちの笑顔のためにまたまた頑張りますよ〜! べんべん

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