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ご存知のとおり オラは南の島で 

心優しい人々や美しい自然に囲まれて 

のどかな日々を過ごしておりました。

まぁ たま〜にこんなことも 

あったりしましたが ・・・ 

オラには もっともっといろんな可能性が

   あるんやないやろか!?  そこで ・・・

よ〜し!! みてろよ〜!!

・・・ と、一発奮起して この街にやってきた訳なんです。

最初は モウ何もかもが エキサイトでした。

しかし ・・・

  「電車」というものは

   あまりにもスピードが速すぎて

    
(どん作さんにとってはなんですけど)

   途中で目まいをおこしてしまい ・・・

  やっとの思いで駅に降りたちましたら 今度は

わけのわからん板みたいなもんに挟まれてしまいました。

びっくりして突き進もうとしたら「ベキッ」と音がして・・・

  駅員さんにこっぴどく怒られまして ・・・

それで少し気を晴らそうと思い 生まれて初めて映画館というところに入ってみました。

チケットを買ってくださいと言われ

   並んだわけですが ・・・

ようやく手にした時にはもう、映画も終わりに近くなっていました ・・・

そのうちにお腹もすきまして ・・・ 憧れていたおしゃれなカフェに入ってみたんです。

どん作さんは ゆったりとした口調で語り始めました。

でもある日、ふと考えたんです。「オラの人(牛)生 これでええんやろか ・・・ 」

   ・・・ そんなことがあったって

広〜い海や澄んだ空

   温かい人々に囲まれているだけで

 ストレスなんて吹っ飛んでしまいます。

しかし ・・・ おそらく通じなかったんでしょう ・・・

目の前に出てきたものは 予想もしていなかったシロモノで ・・・

ハムさんのダンナから横からの応援!! →

窓から眺める景色は華やかでしたが 行き交う車や人々は誰もがせわしそうに目に映り

    オラはまたまた目をまわし 食事も喉を通りませんでした。



  それで宿をとって 横になろうとしましたが ・・・

    夜の8時をまわっているというのに、外はざわめき明かりも消えません ・・・

 結局 ほとんど眠ることができずに

   朝を迎えてしまいました。


それでモウ 放心状態で歩いているところに

  ハムさんと出会ったわけなんです。

やはり オラは島で車をひっぱることしか

   能が無いようですわ ・・・

どん作さんは すっかり自信をなくしてしまった様子です。

 だまって話を聞いていたひらめさんは

    「そういえば ・・・ 」 と言いかけて

どん作さんに もう一杯暖かいお茶を

            さしだしました。

そして 思い出したように続けます。

  (いつもの三味線は奏でなくても大丈夫!と、なぜか確信しています)

そういえばね ・・・ 昨日ハムさんが言ってましたよ。 「どん作さんの島でジブンもダンナさんも

  心のお洗濯をさせてもらった」ってね ・・・ べんべん

    どん作さんのそのペースが 多くの人たちを和ませるんですよ。

車をひっぱることしかできないって!?  それってすばらしいことじゃありませんか!!べん!

  あなたには、あなたにしかできないすばらしい「天職」があるんですべん。

         そして 素晴らしい故郷がある !!


     まぁ それもまた 離れてみて初めてわかるんですけどね ・・・ べんべん 

 どん作さんは ひとつ ひとつ

   島の光景を目に浮かべてみました。


どれをとっても 素晴らしいものばかりです.



  オラには 帰るべき故郷がある!!

ちょっと重たいあの車(水牛車)も、当たり前にすぎていく日常も、いとおしくてたまりません。

      また島に戻って頑張りたい!!  心からそう思いました。

「ところで ひらめさんは ・・・ 」

どん作さんが

再び口をひらいて訊ねます。

どうして ここでお店をされているんですか?


 もしかしたら ひらめさんの故郷も 

    オラの島に近いような ・・・

 ・・・ なんだか そんな気がするんですけど ・・・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

         ・ ・ ・ ・ ・ ほんの少し  ・ ・ ・  間があきました ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

観光客 →

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