「ひらめさんのお店」より 徒歩数分 ・・・

JRの線路と交差している国道の高架下に庵をかまえるのは

    彼、「大ドバトさん」です。

 ハムさんに ストーカーされているドバトさんみたいに

   「ホーホー」なんて のどかな鳴き声じゃありません。


  ドスのきいた声で
「ボッ」と 鳴くのです。

  のどかな昼下がり ・・・

大ドバトさんは 高架の下を見下ろしています。

「あ〜 今日もまた 駐車禁止の取り締まりじゃな!!」

    しかし よくよく見ていると ・・・

  どうも納得が いかないことが 多いようです。
 

見るに見かねた大ドバトさんは ・・・ 

バサバサバサッと 舞い降りて ・・・

着地するやいなや ・・・

ボッ ボッ ボッ ボッ ボ〜ッ !!!

この場所における 取締りの担当者が 次々に

入れ替わるのは これが原因だとも言われています。

※注 これはノンフィクションではありませんので あしからずご了承くださいませ。
   また、ほんの数分の駐車で 取り締まりにあってしまった作者の怨念でもございません。

さて 用も済み 大ドバトさんはブレイクタイムです♪♪♪

  大ドバトさんは 大の音楽好きです♪

ひと目につかない所で こうして踊るのです♪

   さらに ライブやコンサートにも よくでかけます♪

先日も 大○城ホールにて とあるアーティストが来日した時のことです♪

観客が みんな総立ちで のっている中

  大ドバトさんは ただ一人静かに座って

 涙を流しながら 悦に入っていたのです。

そんな大ドバトさんが 数日前から 気になって仕方のないことは ・・・    それは ・・・

♪べべん べん べん ♪ 

      べべん♪ べん〜♪

あれは いったい何じゃろう ・・・

      妙に魂が 熱くなる ・・・

 今宵こそは その在処へ訪ねていくボ〜

   大ドバトさん 今日はがんばって夕方まで起きています。

がんばって起きている ・・・ というのは ・・・   いつも早朝からテンションが高いため

      ひらめさんのお店が開く時間には もうすでに 眠くてたまらないからなのです。

   (ふだんは べべん♪べん べん♪のしらべを 子守唄にして 心地良い眠りについています)

暖簾をくぐると そこには 揚げたてのコロッケを

  お皿に盛っている ひらめさんの姿がありました。

ひらめさんは 大ドバトさんが あまりにも大きいので

 一瞬 びっくりしましたが もっと驚いたのは

   大ドバトさんのほうでした。

「あ〜 なんて 懐かしい感覚なんじゃろう ・・・

  不思議や ・・・  不思議や ・・・ 

    ほんまに 不思議や ・・・

 なんでなんじゃろ〜  今日 初めての はずやのに ・・・」

すでに もうこの段階で 涙 ウルウルです。

「食事の前に あの べんべん♪ってやつを 聴かせてもろてもええかのう?」

ひらめさんは 快く 承諾します。

♪べべん べん べん  べべん べん♪♪

    べべん べん べん♪  べべん♪ べん〜♪

大ドバトさんは 涙をポロポロ流しながら静かに 聴き入っていました。

熱燗を ほんの一滴 口にしただけで 顔を真っ赤にした大ドバトさんは
  (見かけによらず 大ドバトさんは下戸なのです)

 こうして 何度も何度も同じことを つぶやいでいました。

そして すっかり堪能したあと 深々とおじぎをして 庵に帰っていきました。

翌日 早朝

国道高架下が 激しく揺れたのは 地震でも何でもありません。♪♪♪

大ドバトさんは キジバトではなく 本物の土鳩(ドバト)です。

見た目は大きくて強面ですが 実は、純粋で涙もろいトリなのです。

ガラッ!!

あっ!

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