ひらめさんのお店は今日も常連さんたちで賑わっています。

そんな中

コッ コッ コッ コッ コッ ・・・

誰かの足音が近づいてきます。

コッ!! それは、お店の前で ピタッと止まったかと思うと

   「ガラッ」

勢いよく扉が開き そこにはものすごい形相をしたお客さん!?が
仁王立ちになっていました。

そう、彼女の名前は「コッカさん」
JRを隔てたマンションに住むニワトリ一家のおかあさんです。

ふだんは子供達を連れてお散歩したりしているところにすれ違うと にこやかに挨拶を交わしてくれる姿しか
目にしていないので この興奮状態はいったいどうしたことなのか・・・ と、みんなびっくりしています。

そんなことは おかまいなしにコッカさんは お店の中に入ってくるなり でんっ!!と腰をおろし

ひらめさんは慣れたものですがドバトさんなんかは
ちょっと逃げ腰です(そこで帰る勇気もありませんが ・・・)

あっという間に飲み干したコッカさん ・・・
   今度は泣き上戸でドバトさんに絡みます。

どうやら何か訳ありのようですが、誰もあえて詮索しようとはしません。
それがかえってよかったのでしょうね ・・・

美味しいお酒とお料理 ・・・ そして常連さんたちに囲まれて
コッカさんは徐々に落ち着きを取り戻します。

みるみるうちにお皿もコップもからっぽになっていきます。 お腹いっぱい!! 和やかな時間です。

そこへ ・・・
      ガラガラガラ ・・・

心配したコッカさんのだんなさん「コケ郎さん」と
三つ子兄弟の子供たちがお店に迎えにきました。

コケ郎さんは なぜか「行く先はここに違いない!!」
と、確信していたのです。

しかし ・・・  コッカさんは扉のほうを見向きもせずに、すくっと立ち上がりました。

そして お店の奥にある納戸の中に逃げこんだかと思うと

あらあら 中から鍵までかけて籠もってしまったではありませんか!

コケ郎さんが何を言ったって
  コッカさんは逆上する有り様です。

いとしいはずの子供たちの声にだって
  聞く耳を持ちません。

コケ郎さんはため息まじり ・・・ なんせ、ただでさえここのところ仕事上のことで疲れがたまっているものですから 
これ以上のゴタゴタは正直言って勘弁してほしいな〜とも思っているのです。

とは言え、自分が発したコトバにも配慮がなかったと反省をしています。

                              その発したコトバというのは ・・・

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